料理と料理
『「料理」の具体を述べよ』と言われた時に、あなたは何を思い浮かべるだろうか。 私の場合は次の通りだ。
- ラーメン
- カレーライス
- トンカツ定食
- お好み焼き
確かに、これらは料理だ。 しかし、人によってはこれらとは違った具体を思い浮かべたかもしれない。 例えば以下のようなものだ。
- 包丁で野菜を切る
- 魚をフライパンで焼く
- カツオの出汁をとる
- お米を炊く
これも確かに料理だ。 実は「料理」は「料理(名詞)」と「料理(動詞)」の2つに分けることができる。 最初に述べたラーメンとかカレーライスとかが「料理(名詞)」の具体で、 後者の包丁で野菜を切るとか魚をフライパンで焼くとかが「料理(動詞)」の具体だ。 なので「料理」という言葉を使う時には、 「料理(名詞)」と「料理(動詞)」のどちらを使っているかを文章全体から理解しているはずなのだ。 「料理がたくさん出てきた」といった時の「料理」は「料理(名詞)」であり、 「その魚をつかって料理してください」と言った時の「料理」は「料理(動詞)」だ。
しかし、文章からこれらを区別する情報が欠落した場合、 誤解を生む文章が生まれる。 例えば「料理がうまい」は「うまい」が平仮名であることが原因でどちらとも取れなくなっている。 これは「美味い」「上手い」と書けば判別可能となる。 しかし、話し言葉だった場合は「料理がうまい」だけでは判別不可能となる。 このように、抽象的な言葉はうまく使わないと誤解を生む。 話し言葉の場合はなおのことだ。
英語の場合
ちなみに、これが英語の場合はどうなるかというと、 英語は語順が決まっているので迷うことはない。 というか料理(動詞)はcook、料理(名詞)はfoodなので、 今回述べた点で間違えることはないだろう。 そこがはっきりしている英語はとても書きやすい言語かもしれない。
動詞か名詞かという話を考えると、英語は動名詞というものがある。 ということは日本語の「料理」にはcook, cooking, foodの3つの英語が対応するのか。 日本語の「料理」は英語よりもかなり抽象的な単語だなぁ。