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「ネットワークはなぜつながるのか」読了

2024年3月30日

戸根勤著の「ネットワークはなぜつながるのか」を読了した。

ネットワークの世界はとても広く、適当に一部分を切り取って学んだとしても、 それが実際どのように役に立つのかというのが掴みづらい。 その掴みづらさはネットワークに入門する際の大きな壁の一つになっていると思う。 なんの役に立つかわからないものを学ぶことは辛いものだ。 そんな壁を少し低くしてくれるのがこの本の良いところだと感じた。

私がどのようにネットワークに入門したかというと、大学で実際に機器を触ったり、アプリケーションの設定をしたりして入門した。 もちろん大学の講義で「TCP/IP 入門編」を使って勉強もしたので、 IPアドレスがどういう構造をしているとか、ルーティングというものがあるとか、 そういった基礎的な知識はあったものの、その時点でネットワークが好きだとはいえなかった。 むしろ嫌いだった…。 なぜネットワークが嫌いだと感じつつも実務的なことをやり続けたかというと、 システムがうまく動いたり復旧したりすることに達成感があったからだろう。 そんなこんなで、全体像がなんとなく伺えるようになってきた頃に、ネットワークについて学ぶのが好きだと感じるようになった。 多分…(好きになったタイミングってわかんないよね)。

この本「ネットワークはなぜつながるのか」は、私が実務で少しずつ把握していったネットワークの全体像が、 読むだけでだいたい把握できる素晴らしい本だ。 ブラウザからWebサーバーまでの道のりを辿る形式で進むが、 進み方がめちゃくちゃ丁寧だ。 今どこにいてデータがどんな状態なのかの確認ポイントがたくさんあり、 迷子になることがない。 丁寧すぎてくどいかと言われるとそうでもなく、入門する上で必要な情報とそうでない情報を慎重に選別し、 必要最低限の説明でうまく書かれている感じがある。 例えば、この本で「OSI参照モデル」という言葉は出てこない。 よくよく考えたら、OSI参照モデルという概念自体は、 入門者が通信の仕組みを知る上ではそんなに重要じゃないなと思った。 トラブルシューティングしたり、設計したりする上では便利な概念なんだろうけどね。

ネットワークを学び始めたが、難しくてどうにも進めないという人に勧めたい本だ。

読書メモ(Scrapbox)